大判例

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東京地方裁判所 昭和47年(ワ)10550号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【説明】

原告は交通事故により、右撓骨神経の上膊部における挫滅損傷等の傷害を受け、その後入・通院による治療を受けたが、右手指に運動障害があり、特に拇指の内転ができず、小指の屈曲不充分のため物を握つたり、書字をうまく書くことができず、右手関節の機能に著しい障害及び右肘関節の機能に障害を残した。

【判旨】

しかしながら、前記認定の事実によると、東京労災病院において、再手術をした際、撓骨神経の挫滅損傷とされた末梢端は骨折部の内側の瘢痕内に埋没され、また、その中枢端は骨折上端に陥入し、小さく細くなつていたのであるから、これにより撓骨神経に二次的損傷が加えられたことは容易に推認することができるところ、撓骨神経が右のとおり骨折間に介入し、二次的損傷を生ずるに至つたのは、前記認定の傷害の治療の経過等に徴すると、被告聖愛会の方波見医師が観血的整復術を施すに当たつて、撓骨神経が骨折間に介入することのないよう十分な注意義務を尽くすべきであるにかかわらず、これを怠つたことによるものと認めることができ、右の撓骨神経の二次的損傷は撓骨神経縫合手術の予後に影響を及ぼし、本件交通事故による撓骨神経の挫滅損傷という直接原因と相俟ち、原告主張の後遺症を招来する一因をなしたものと推認するのが相当である。

(武居二郎 島内乗統 丸山昌一)

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